レッスンを円滑に進めるための楽器の維持管理
大人の学び直しにも人気のピアノ教室、福岡県北九州市八幡西区近く中間市の「西田和美ピアノ教室チェンバロ教室」です。
今回の投稿は、レッスンで使用するピアノやチェンバロの「楽器の維持管理」についてのお話です。
コンサートホールで所蔵する、ピアノなどの楽器は、定期的に保守点検をして、きちんと維持管理されているように、当教室も、レッスンで使用しているピアノやチェンバロは、専門家の方に依頼して、見ていただいております。
今年もゴールデンウィーク前に、県外から専門家の方にお越しいただきました。
ピアノの点検と言うと「調律」が頭に浮かぶかと思いますが、ピアノの保守点検業務は、ピアノの音色を良好に保ち、ピアノの寿命を延ばすための作業で、主な内容として、調律、整調、そしてピアノ内部の点検や修理がそれに該当します。
調律は、音程を正確に合わせてピアノの音色を整え、各弦の音の高さを調整して正確な音程を確保すると同時に、ハンマーやダンパーの位置や状態を調整して、音色やタッチ感を最適化して、音の余韻や響きをコントロールします。
整調は、鍵盤の高さや深さ・動き、ハンマー、ジャック、レペティションスプリングなど、アクションと呼ばれる部分の動作、ハンマーと弦との距離、これらを調整します。
楽器内部の点検・修理では、鍵盤、アクション、ハンマーなど、摩耗や破損がないかを、弦の錆や断線がないかを確認し、必要に応じて修理や交換します。また、ピアノ内部の埃やゴミを取り除いて衛生状態を維持します。
チェンバロでは、①調律、②整調[撥弦時差調整、鍵盤分解調整]、③内部の点検や修理[爪の交換、ジャック磨き、弦の張り替え、響板清掃]、このように該当すると思います。
これらの点検業務は、楽器の性能を維持し、長期間にわたって良好な状態を保つために、とても重要です。
ただ、ピアノやチェンバロの楽器の仕組みなど、理論ではわかっていても、正直申しまして、私を含むほとんどのピアノの先生方は、楽器点検を専門家の方に依頼していると思われます。
しかしながら、ピアノと違って、チェンバロの場合は、専門家の方に依頼しつつも、ある程度の事は、所有者自身でも行なわなければなりません。
と申しますのは、ピアノのメンテナンスの専門家の方に比べて、チェンバロの専門家の方は、圧倒的に人数が少なく、首都圏ならまだしも、地方では数えるほどの人しかいないので、楽器に何か不具合が生じる毎に、専門家の方に依頼していては、レッスンに支障が生じるでしょう。
ですから、レッスン毎のチェンバロ調律はもちろんの事、弦をはじく爪が、弱ったり折れたりすれば自分で交換します。爪は消耗品ですので弱ったり折れたりは仕方ないです。交換の際は、出来合いの爪を差し替えれば済むというわけではなく、音色や音量を聴きながら、自分で百分の数ミリずつ削って微妙な調整を施します。
それから、演奏する曲によっては、鍵盤を連動させたりして複数組の弦を同時に鳴らしますが、その微妙な時差(百分の数秒)も自分で調節しますし、弦が切れた時は張り替えもします。
また、チェンバロは、季節の変わり目や、温度湿度に左右されやすいため、鍵盤が動きにくくなったりしないよう、温度湿度計を見ながら、日々の維持管理を注視しております。
このように、ピアノと比べてチェンバロという楽器は、全般的に手間暇がかかる面があり、調律ひとつとっても、ピアノの場合は定期的にピアノ調律師さんに依頼する程度ですが、チェンバロは、生徒さんに気持ちよくレッスンを受けていただくためにも、レッスンの毎に講師が調律を施しています。
ちなみに、たまに「ピアノとチェンバロのレッスン代が違うのは何故ですか?」とのご質問をいただきますが、先に述べてきたとおり、レッスンをするための準備や、楽器の維持管理に要する時間と費用が異なるのが要因です。
最後に、チェンバロのレッスンを受けてくださる生徒さんの中には、将来的にご自宅にご自分の楽器を持ちたいというお考えの方もおられます。
当教室では、ご自宅で練習ができるだけでなく、生徒さんご自身で楽器の維持管理をするための予備練習として、役立ててもらうために、当教室の楽器を貸し出ししております。詳しくはこちらをご覧ください。
バッハやヘンデル、スカルラッティなどのバロック音楽を、ぜひチェンバロで演奏してみたいと思う方は、一度チェンバロのレッスンを受けてみませんか? 詳細はこちらからご覧いただけます。
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